あたしの乗った電車は、滑るようにホームにはいった。
市川駅。
ドア越しに外を眺める。
そこには、一人の男性がいた。

白いGジャン
白いズボン
おおきなリュックサック
明らかに底上げしてる革靴

ぼさぼさの頭をした彼は、
向かい側のホームの、黄色い線の上に乗り、
私たちの乗っている電車を静かに見つめていた。

天使のような微笑を浮かべながら。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヘンナヒトかもしんない。
春だし。

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